大学院生物システム応用科学府(BASE)では、原則としてすべての教員が独立した研究室を持っています。
生物機能システム科学専攻
物質機能設計
荻野 賢司 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 物質機能設計
- 研究テーマ
- 有機材料科学
- kogino(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
人工的な光合成システムの構築は材料科学者にとって大きな夢のひとつです。光合成システムに限らず、生物は自己組織的な手法で、さまざまな機能を有するユニットをナノサイズレベルで有機的に配置?連結させ、人工システムが模倣できない優れたシステムを創造しています。これらは、ナノレベルの空間の中で実現された多機能多相系システムです。当研究室ではこのような優れたシステムを人工材料で実現するため、有機半導体のナノ構造制御に関する研究を行っております。有機半導体は光合成と類似したプロセスを通じて光を電気に変換したり、光照射により材料の屈折率を変化させることができる材料で、その特性を最大限に引き出すためには、”生物に学んだナノ構造制御”が不可欠です。そのために自己組織的にナノレベルの周期構造を与えるブロック共重合体のような多機能性高分子を、目的に応じて設計し、合成しています。
物質機能応用
銭 衛華 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 物質機能応用
- 研究テーマ
- 触媒化学工学、水素化脱硫、石油精製、水素製造、バイオマス
- whqian(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
循環型社会の形成のための環境保全やエネルギー資源の有効利用技術の開発を目指して、在来型エネルギー資源て?ある天然ガス?石油?石炭といった化石燃料からクリーンエネルギーの製造や非在来型エネルギー資源であるバイオマスから再生可能なエネルギー?資源の製造に関する触媒?プロセスの研究?開発を行っています。具体的に、ガソリンや軽油等の燃料油の水素化精製及び石油資源の高度化利用のための重質油のアップグレーディング触媒?プロセスの開発を行っています。また、触媒?酵素によるバイオマスからのバイオ燃料及びバイオマテリアルの製造プロセス等の新規技術の開発を行っています。
ロボティクス
水内 郁夫 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- ロボティクス
- 研究テーマ
- ロボットの身体構造?制御?情報処理?人工知能?応用(家庭?厨房?農業?対話?等)
- mizuuchi(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
様々なタイプのロボットの研究をしています。世界初の筋骨格型ヒューマノイドを始め、人に関する知見を学び、それを参考に色々と考えたロボットを作ります。人の身体構造に学んで、筋骨格型ロボットや、バネ?ゴムを組み込んで瞬発力を発揮する動的制御の研究、空気圧人工筋肉の活用を研究しています。人の制御に学んで、多体系システムの運動連鎖の研究、人の操縦上達過程からの機械学習なども研究しています。人の情報処理に学んで、実世界認識、片付け、農作物収穫、人工知能などを研究しています。また、人間の心の仕組みに学んで、ロボットと人との関わりに関する研究も行っています。
結晶工学、半導体工学
村上 尚 准教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 結晶工学、半導体工学
- 研究テーマ
- ワイドバンドギャップ半導体結晶成長、創?省エネルギーデバイス用材料開発
- faifai(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
次世代、次々世代のエネルギー変換デバイス、いわゆるパワーデバイス用のワイドバンドギャップ半導体材料(GaN, Ga2O3, AlN, InGaN混晶等)に関する研究開発を行っています。金属塩化物を前駆体とする気相成長により、高純度?高品質の半導体結晶を高速で成長する方法の探索を行い、将来のエネルギー問題解決やカーボンニュートラルへの貢献を目指しています。具体的には、熱力学をベースとする結晶成長挙動の予測や流体力学計算を利用した反応管設計、またそれを具現化した結晶成長装置の構築?成長実験を通して、効率的に新規の半導体材料開発?研究の推進を行っています。
環境光システム
岩見 健太郎 准教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 環境光システム
- 研究テーマ
- ナノマイクロシステム、MEMS、NEMS、光工学、光学素子
- k_iwami(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
光波長よりも小さなスケールで物質を加工すると、その屈折率を自在に制御できるようになります。このようにして作られた物質はメタマテリアルと呼ばれ、光の状態を多様に変換し、新たな機能を引き出すことが可能となります。当研究室では、精密に設計されたメタマテリアルを応用して、極薄高機能レンズや立体映像技術(ホログラフィ)、マイクロセンサなどへの応用を研究しています。これらの実現により、量子技術から分析?計測、バイオ応用まで幅広い領域での破壊的イノベーションを目指します。
電磁波工学
有馬 卓司 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 電磁波工学
- 研究テーマ
- 電磁波のシミュレーション,アンテナの開発,電磁波に対する新媒質の開発,メタマテリアル
- t-arima(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
本研究室では、電磁波を用いてより豊かな生活を実現するために、電磁波の基礎から応用まで幅広い研究を行っています。基礎研究としては、電磁波の特性をコンピュータ内で再現するシミュレーション技術の開発を行っています。電磁波のシミュレーションが精度良く行えれば、実験の必要がなくなり、費用や時間の面で大きなメリットがあります。また、電磁波を効率よく放射?受信するにはアンテナが欠かせません。アンテナの開発もシミュレーション技術を活用して行っています。応用研究としては、電磁波に対して、これまで自然界には存在しない特性を示す構造の開発を行っています。これまでアンテナなどは電磁波の波長により大きさが決まります。この制約を開放しより自由にアンテナを配置する技術の開発も行っています。このように本研究では、電磁波のシミュレーション技術をコアとし、低い周波数から高い周波数まで電磁波に関する幅広い研究を行っています。
地盤環境学
橋本 洋平 准教授
- 学位
- Ph. D.
- 研究分野
- 地盤環境学
- 研究テーマ
- 地盤環境学、環境化学
- yhashim(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
土壌中の栄養や有害元素を分子レベルで分析し、どのような化学状態で存在しているのかについて研究しています。植物や微生物が土壌から元素を取り込むためには、その元素が土壌中で溶解している必要がありますが、その溶けやすさを決めるのが元素の化学状態です。例えば、有害金属で知られるヒ素は、5価の「ヒ酸」よりも3価の「亜ヒ酸」の化学状態で存在している方が、環境中で移動しやすく、毒性も高いです。元素の化学状態が分かれば、生物や環境中における毒性や吸収についてのメカニズムの解明につながります。私たちは分子レベルで土壌や水中の元素状態を分析し、環境中での元素の動態や、環境修復技術ならびに植物に吸収されやすい高機能肥料の開発に取り組んでいます。
メディア情報学
藤波 香織 教授(2023年度BASE専攻長)
- 学位
- 博士(情報科学)
- 研究分野
- メディア情報学
- 研究テーマ
- ユビキタスコンピューティング、IoT、行動認識、知的ユーザインタフェース
- fujinami(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
スマートフォンを筆頭に鏡や歯ブラシに至るまで、身の回りのモノに情報処理、計測、出力、通信機能が組み込まれて実世界と仮想世界が融合する世界(ユビキタスコンピューティング環境)が可能になりつつあります。そのような世界を意味あるものとするために当研究室では、入出力装置や情報処理の要素技術の開発に取り組んでいます。例えば、効果的な情報提示のための視認性推定と提示制御技術や、装着型センサによる人間や動物の状態推定技術、日常物の入出力インタフェース化、などが挙げられます。また、付加価値生成や問題解決を目指した先進的な応用システムの提案にも取り組んでいます。研究成果の蓄積を通じてシステム構成法や評価法の確立にも挑みます。
自然言語処理
古宮 嘉那子 准教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 自然言語処理
- 研究テーマ
- 語義曖昧性解消、情報抽出、領域適応、転移学習など
- kkomiya(ここに@を入れてください)go.tuat.ac.jp
コンピュータを使って、言葉の研究を行っています。専門的に言うと、人工知能の研究に含まれる、自然言語処理という研究分野です。大量のデータ(問題集)をコンピュータに与えて、規則性を発見し、新しい問題を解けるようにする技術、「機械学習」を使って実現していきます。当研究室では、特に、言葉の意味を文脈によって理解させたり、欲しい情報を抽出したりするタスクを対象に研究を行っています。また、ある分野についてあまりデータがないときに、別の近い分野の知見を転用、併用して低リソースで精度の高いシステムを作成する研究をしています。例えば、新聞のデータを利用したブログのデータ用のシステムや、現代文のデータを用いた、古文用のシステムなどを作っています。
環境機械システム
石田 寛 教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- 環境機械システム
- 研究テーマ
- ロボティクス、センサ、嗅覚、バーチャルリアリティ
- h_ishida(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
オスの蛾は遠方から性フェロモンの匂いをたどり、メスを探し当てることができます。カニやザリガニは、暗い海底や湖底で鋭敏な嗅覚を使い、餌を探し出します。私の研究室では、匂いをたどる生物の行動を模倣し、匂いやガスの発生源を突き止めるロボットを世界に先駆けて開発しました。ガス漏れ探知や危険物探索などの応用を目指し、様々なロボット嗅覚センシングシステムの開発を行っています。また、センシングした嗅覚情報をバーチャルリアリティシステム上で再現する技術の開発にも取り組んでいます。関連分野における海外の研究室とも連携しながら、研究?教育を推進しています。
エネルギーシステム統合
池上 貴志 准教授
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- エネルギーシステム統合
- 研究テーマ
- 分散エネルギー管理、再生可能エネルギー、電力需給制御
- iket(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーを電力システムに大規模に組み込むことが期待されています。電気エネルギーは大量に蓄えることが難しいため、電気の使用量に合わせて発電量を調整する必要があります。しかし、気象条件の影響を受けて発電量が大きく変動する太陽光?風力発電が大量に普及すると、電力システムを安定的に運用するのが難しくなります。私の研究室では、電力システムの運用に適した再生可能エネルギー発電の制御手法の開発や、住宅等における電力消費量を制御する手法の開発を行っています。また、そのような仕組みを社会に組み込むための制度設計を行い、システム評価の研究を行っています。
資源生物創製科学
梶田 真也 教授
- 学位
- 博士(農学)
- 研究分野
- 資源生物創製科学
- 研究テーマ
- 植物工学、細胞工学
- kajita(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
植物は、人間のように移動しながら生育する環境を変えることができないため、内的?外的な環境の変化に対応する特異な機能を進化させてきました。生育環境に適した個体の形づくり、劣悪な成育環境下で受けるストレスへの応答、病虫害に対する防御など、植物独自の形態形成機能や自己防衛手段を持っています。このような植物特有の機能の発現メカニズムを明らかにすることを通じて、我々が直面する環境?資源問題を解決するための糸口を見出したいものです。私たちの研究室では、植物細胞の持つ多様な物質代謝機能を解析し、環境浄化に貢献する植物やバイオマスの資源化に寄与する樹木など、新しい植物の開発をめざしています。
環境モニタリングシステム
赤井 伸行 准教授
- 学位
- 博士(学術)
- 研究分野
- 環境モニタリングシステム
- 研究テーマ
- 振動分光学、素反応解析
- akain(ここに@を入れてください)cc.tuat.ac.jp
現在の地球環境科学では対象となる分子の濃度分布などを計測するだけではなく、分子が環境中でどのような化学変化をしていくのかが問題となっています。たとえ同じ分子であっても大気中と水溶液中では全く異なる反応性を示すことが数多くあり、物質循環モデルを構築するうえでも個々の反応機構を知ることが必要とされています。そこで、様々の分光法や理論的手法を用いて、分子や錯体の光反応機構を均一媒体である気相や、不均一媒体であるエアロゾル?氷/水溶液中など多様な環境条件下で研究しています。また、複数の分子が会合したクラスターの幾何構造の違いに依存するような新たな光反応経路の探索も行っています。
RNA生物情報学
庄司 佳祐 准教授
- 学位
- 博士(農学)
- 研究分野
- small RNA、エピジェネティクス、バイオインフォマティクス
- 研究テーマ
- piRNAを介した"非自己"との関わりの解明
- kshoji(ここに@を入れてください)go.tuat.ac.jp
我々生物の設計図であるゲノムは、実は約半分がトランスポゾンと呼ばれるウイルス様のDNA配列によって占められています。私たちが研究しているのは、トランスポゾンを抑制するために動物が獲得したPIWI-interacting RNA (piRNA)と言う仕組みです。piRNAは、トランスポゾンに対応した配列を持ち、ゲノム中に存在する"非自己"配列であるトランスポゾンの増殖を抑制します。次世代に伝わる生殖細胞を持つ生殖巣においてpiRNAは機能しており、piRNAの機能不全は不妊の原因になります。私たちは、piRNAが、どのようにして"非自己"を見分けているのか? トランスポゾン以外の"非自己"との間ではどのような働きをするのか? を明らかにすべく、生物情報学や分子生物学を組み合わせて研究しています。
バイオエレクトロニクス
田畑 美幸 講師
- 学位
- 博士(工学)
- 研究分野
- バイオエレクトロニクス
- 研究テーマ
- バイオセンサ、電気化学、界面科学
- tabata-bsr(ここに@を入れてください)go.tuat.ac.jp
長寿?健康に対する人々の関心が高まっている背景に加え、稀少疾患や難治疾患の治療法の確立も社会的に重要であり、疾病を特異的に検出する検査法や小型診断デバイスの開発が期待されています。特にがんのプレシジョンメディシンにおいてはリキッドバイオプシーが注目されています。医療従事者以外でも簡便に扱えるリキッドバイオプシープラットフォームの開発を目指し、医療/生命科学の知識と半導体技術を融合し、生体分子を電気化学的に計測するバイオセンサの創製に取り組んでいます。健康長寿社会が抱える課題を解決するデバイス作りを目標にしており、情報や通信技術と組み合わせることでスマート社会における新たな社会基盤の構築を推進します。
バイオマス科学
髙田 昌嗣 助教
- 学位
- 博士(エネルギー科学)
- 研究分野
- バイオマス科学
- 研究テーマ
- 木質バイオマスの熱化学処理による有用物質の創製、脱リグニンのトポ化学
- takada-masatsugu(ここに@を入れてください)go.tuat.ac.jp
持続可能な社会の構築に向け石油代替資源として注目されている、木質バイオマス資源からのエネルギー及び有用物質の創製に向けて研究に従事しています。中でも、地球上で最も賦存量の多い芳香族高分子でありながら、複雑な化学構造と細胞壁での不均一な分布により、十分に利用されていないリグニンに着目し、組織形態学と化学を融合したトポ化学的発想を軸とする独創的な研究を展開しています。例えば、超(亜)臨界流体技術を用いた熱化学処理によるリグニン分解挙動の解明や、バイオ燃料の創製、リグニンからの発光材料の創製など、農学?工学?エネルギー科学の研究分野で培ってきた多角的な研究背景を融合させ、革新的かつ創造的な研究の創出を目指しています。