学長ビジョン
戦略1 学生の未来価値を拡張
学生の未来価値を限りなく高めることを理念に、科学的探究や情報リテラシーを通じて公益性、透明性、社会性、国際性、倫理観を基盤とした知の創造とその共有化を推進する。さらに、人を大切にする行動規範の中で、熱意と構想力、持続する力を持ったスケールの大きな人となることを目指す。大学院課程では、国際化のさらなる推進、大学?研究機関等との連携、情報技術を活用した教育研究を促進する中で、科学的探究を通じて高度な思考力と創造力を養い、広い視野をもった知識社会の牽引者を養成する。そのために、教育研究環境のさらなる拡充と質的向上を進めると共に、社会の需要を見据えた大学院課程の教育プログラムおよび教育方法の改革により高度な教育研究を推進し、応用?実践に積極的に挑戦する人材養成を行う。学士課程では、学生の創造性の発展をめざし、自然と社会を対象にした知的好奇心を拡げる。すなわち、学生が科学、技術、事業の世界において活躍するための教育体制を整備し、論理的思考力の基盤構築と創造性を刺激する講義、実験?実習教育について常に教育方法の開発を進め、新たな考えや価値を創出し、他者の個性を敬い自らの独創性を発揮するための基礎力を養う。
戦略2 世界を牽引する新分野?新概念を創成
社会の基幹を支える農学、工学およびその学際領域にかかわる基礎研究から科学技術に直結する応用研究に至る使命志向型研究の遂行により、卓越した新しい知の創造を推進する。また、高い倫理観に基づき持続発展可能な社会の構築に向けた科学技術発信拠点としての社会的責任を果たす。農学、工学は共に人と自然、自然現象との関係を基盤とする学問領域であり、本学の存在意義の中核をなす。すなわち、人間活動が地球環境に大きな影響を与え続ける中で、エネルギーや資源を適切に循環し、環境負荷を低減、修復しながら人類の食と健康、社会の安寧を持続的に獲得することが重要課題である。そのためには科学の探究、高度な技術開発と共に、総合知に基づく社会システムの構築に向けた新たな構想力が必須である。こうした課題認識に基づき、未来社会の創生に不可欠な柔軟性と復元力を基軸とした尖端科学研究と技術開発を重点化すると共に、人と自然の繋がりの中から持続可能なスマート社会のあるべき姿を描き、その構築を実践する。さらに、この目標を国際社会と共有し、未来を担う多様な才能の発見と新たな知識の社会への発信を進めることにより、世界を牽引する新分野?新概念を創成する。
戦略3 目指すべき社会の姿を提案?先導
本学が立地する東京多摩地域は、都心部や国内各地域、海外へのアクセスが至便であると共に、近隣には先端技術を基盤にした数々の有力企業の拠点がある。周囲は自然環境や天然資源の宝庫であり、教育機関、公的機関、多様な産業と関連する試験研究機関の一大集積地である。この恵まれた環境において、科学的探究に基づく未来価値の創造や、社会に対する新たな知識の提供、さらにはその具現化を実践する人材養成など、総合的に社会との協力関係を構築する。また、大学の生み出す知識と実践力によって未知のニーズを探り新市場を創り、社会を動かす力に繋げる。大学と産業界や地域社会、国際社会との連携は、事業の継続発展性や国際性の確保、人材の活用、雇用促進、新産業創出など社会の重要な機能を維持発展させることである。すなわち、学術的な知見や基盤となる技術の将来性、活躍する人材像を描き事業との関連性で先見性を持つことが必須である。その議論の渦中に入り、共通の目標のもとで力を尽くさなければならない。大学発の知識や技術応用だけに限定された発想ではなく、目指すべきこれからの社会の姿を提案?先導し、具体的に実践に結びつけるという重要な役割を大学が果たす。
戦略4 ガバナンスの強化と大学経営の自律化
より質の高い教育研究の持続発展の実現に向けて、自主的、自律的な大学経営を行う強固な基盤を構築する。すなわち本学が目指す教育、研究成果の活用や大学としての社会的な価値と貢献度を高めるための活動を強い意欲をもって持続的に発展させるために、ガバナンスと経営基盤の強化を徹底する。財源の多様化や資産管理による経営資源の継続性確保と責任の明確化、倫理指針の徹底などを着実に実施できる体制整備を行うと共に、大学として掲げる努力目標を明確化し、教育活動や社会貢献活動、入学試験、広報活動、コンプライアンス、リスク管理、プロジェクトの企画提案、関連施設の運営?経営などを計画的に推進する。さらに、国内外機関との包括的な連携をより強固なものとして、先進的な研究に基づく未来の価値創造や、社会への知の提供とその実践、波及をリードする人材養成など、総合的かつ持続的な協力関係の構築に繋げる。また、人の価値、可能性を広げる人事制度に基づき、教職協働による新たな目標設定やその実践手法の学びと活躍の機会を創出する。多様性、国際性を重視した発展的な観点に基づく大学への貢献度や意欲要素を評価することによって、構成員の活力や創造力の最大化を図る。